厚生労働省に開示を求めたCBD製品の輸入許可基準が不開示になった件で、不服申立として改めて開示を求める書面を本日付で送付しました。その内容は以下の通りです。
・審査請求の趣旨
不開示決定を取り消し、CBD製品の輸入許可基準を示すよう求めます
・審査請求の理由
向精神作用のない産業用大麻の茎から抽出したCBD(カンナビジオール)製品の輸入について、大麻取締法を所管する厚生労働省麻薬対策課に私が初めて問い合わせたのは平成25年6月でした。このCBD製品は、欧米ではすでに健康補助食品として広く流通している商品でした。当初、麻薬対策課は、CBD製品は大麻草から作られた製品であり、輸入の前例がなく、大麻取締法に抵触するので輸入は認められないと回答しました。しかし、大麻取締法は、成熟した大麻草の茎から製造された製品は規制の対象外と定めています。そこで私は麻薬対策課から求められた書類をCBD製品のメーカーから取り寄せて提出し、検討を求めました。その書類とは、原料が精神作用のない産業大麻の茎から作られていることを示す証明書、製品の成分分析表と製造工程表、製品が日本の法律に違反していないことを宣誓するメーカー責任者の宣誓書でした。それらの書類を麻薬対策課に提出したところ、産業大麻の茎から製造されたCBD製品は規制の対象外であることが確認され、輸入が認められることになりました。
また、同時期に輸入手続について経済産業省にも問い合わせたところ、大麻エキスとしてのCBDオイルは、「特定地域からの輸入規制(2号承認)」の対象品目であり、輸入の際に経済産業大臣と厚生労働大臣の許可が必要となっているものの、大麻エキスは平成26年4月からこの制度の対象外となるため、経産大臣と厚労大臣の許可は不要となり、税関での検査のみで通関が可能になるとの説明を受けました。経済産業省のご担当者からは、事業としてCBD製品の輸入販売を始めるのであれば、平成26年4月以降に始めたほうが通関手続が容易になるとの助言を頂きました。
平成26年6月、私はCBD製品の輸入販売事業を法人化し、複数のメーカーから輸入して国内での販売を開始しました。各製品の初回輸入時には、メーカーから取り寄せた上述の書類を麻薬対策課に提出し、違法性がないことの確認を得てきました。また同じ製品の継続的な輸入の際には、その都度、税関での検査を受け、検疫所には所定の書類を提出したうえで、食品として販売する許可を得ています。
ところが、平成27年に入り、私が適法に輸入しているのと同じメーカーの同じCBD製品が、厚労省麻薬対策課が輸入を不許可とし通関が認められないとの相談が個人や法人から多数寄せられるようになりました。私はそのような相談者に対し、私が行っている手続を伝えました。相談者たちの多くは、私が通関に際して厚労省麻薬対策課に提出しているものと全く同じ書類をメーカーから取り寄せて同課に提出しましたが、それでも輸入が不許可となる状況が現在に至るまで続いています。私が代表を務める法人においても、同業他社が適法に輸入販売しているCBD製品の通関が、厚労省麻薬対策課によって不許可となる事態が平成28年2月に生じています。この商品は未だに税関で止められ、厚労省から通関不許可の連絡もないため、保留の扱いになっていると税関は説明しています。
私はこれまで繰り返し何度も厚労省麻薬対策課に対し、同業他社が適法に輸入している同一のCBD製品について、なぜ弊社の場合は輸入が不許可と判断されているのか説明を求めてきました。しかし麻薬対策課からは納得できる説明がありません。同一のメーカーが製造販売する同一のCBD製品について、同一の書類を提出しているにも係わらず、麻薬対策課はある個人や法人には輸入を許可し、別の個人や法人には輸入を許可しないという、恣意的な行政が行われているのです。そして不許可の理由について麻薬対策課に問い合わせても、合理的で納得できる説明はなく、輸入を許可する基準すら示しません。これは、文科省前事務次官・前川氏の言葉を借りて言えば、「公平・公正であるべき行政の姿が歪められている」と指摘せざるを得ません。これでは行政の手続について透明性が確保されているとは到底言い難く、輸入を許可する基準すら示さないことが混乱を生じさせ、却って違法な製品の輸入を招くことになっています。
CBD製品の輸入許可基準を不開示とした決定には合理的な理由を認めることはできません。よって、CBD製品の輸入許可基準を開示するよう、改めて求めます。
以上